(中略)
通常戦闘においては戦闘未解決のままターンを終了することはできません。
しかし強制戦闘が自由選択戦闘に変化する2つの例外があります。
(中略)
総攻撃以外を行う場合は航空機ユニットのみ敵領域に侵入させて攻撃しなければいけません。
総攻撃以外では防御側の地上ユニットは高射砲隊しか反撃できません。戦術爆撃機と戦略爆撃機以外の防御側航空ユニットは迎撃します。
どのユニットも1ターンに1回しか攻撃に参加できません。1度の攻撃を終えたユニットは移動力が残っていてももうそのターンに敵領域へ侵入することはできません(潜水艦はのぞく)。しかし他の列強のターンにおいて攻撃を受けたときは戦闘に参加できます。また戦闘中に発砲しなかったユニットは同一ターン内に他の戦闘に参加することができます。発砲済か否かはユニット表示の下部にある標的アイコンのチェックの状態でわかります。
ある条件下において、敵対するユニットの移動時に自動的に攻撃することがあります。これを臨機攻撃といいます。臨機攻撃が発生するときは移動する側のプレイヤーに警告が表示され、それでも移動するかどうかを選択できます。すべての臨機攻撃は間接攻撃となります(8.3.4章参照)。
以下の条件が満たされると臨機攻撃が発生します:
臨機攻撃は次のルールに従います:
砲兵隊と航空ユニットは在駐する領域に揚陸しようとする敵部隊に対して次のような特別な臨機攻撃を行います:
例えばある領域に2つの砲兵ユニットがいたとして、すでに空挺ユニットが1つ上陸済であるとします。 次に歩兵が輸送船団経由で上陸しようとすると、2つ砲兵隊が臨機攻撃するときにそれぞさ攻撃ロールに-2の修正がかかります。 その臨機攻撃でダメージを受けなかったと仮定して、さらに次の歩兵が上陸しようとするときはすでに2つのユニットが上陸済なので、どの砲兵隊も臨機攻撃のロールに-4の修正を受けることになります。
(中略)
戦闘においてユニットの各攻撃能力値が適用される対象は以下の通りです:
これら攻撃能力値の数だけサイコロを振って出た目の合計に各修正を合わせたものが攻撃値なります。装甲値の分、攻撃で振られるサイコロの数が減少します。
防御側は回避能力値と耐久度を掛け算した数が防御値となります。
攻撃値が防御値と同じか上回れば1ヒットし、攻撃値が防御値の2倍以上になれば2ヒットします。
1ヒット受けた状態でその戦闘を終えればダメージを受けたとして工場に送られ、2ヒット受けた状態であればそのユニットは破壊されマップから取り除かれます。民兵は1ヒットでも破壊されます。
コンピューターは一定の法則にしたがって攻撃対象のユニットを決定します。戦闘は同期して行われるので、ダメージを受けたり破壊されたユニットでも反撃してきます。
地上戦や海戦では各ユニットは攻撃レンジを持ちます。
地上ユニット同士の戦闘において、他の地上ユニットと違い砲兵隊は攻撃レンジ3を持ち、距離3のときと距離2のときそれぞれ1回ずつ発砲します。しかし距離1のときは発砲しません。砲兵隊はその2回の攻撃でなるべく別々の対象を攻撃しようとします。2回の砲兵隊の攻撃が終わると、他の地上ユニットが発砲を行います。
潜水艦以外の水上艦同士の戦闘において、距離3か距離2か距離1かがランダムで決定されます。艦隊は射程内であったときのみ発砲することができます。
(中略)
戦闘は以下のフェイズに別れ、それぞれのユニットはその中で発砲します:
各フェイズにおいては同期して戦闘が行われます。よってダメージを受けたり破壊されても、同一フェイズ内であれば8.5.7章にあるようなダメージを受けたことによる不利な修正は受けずに反撃できます。
大半のケースにおいて、攻撃側の地上ユニットが航空機フェイズや距離3や2の地上戦闘においてダメージを受けたり破壊されると、その後のフェイズで発砲することができなくなります。
各ユニットは戦闘においてなるべく同種の敵を攻撃しようとします。しかしどの敵ユニットも各フェイズにおいて最低1回ずつ攻撃を受けていないと、同じ敵ユニットに2発目を発射することはできません。このとき歩兵・民兵・空挺はすべて同種のユニットと見なされます。
例えば機甲ユニットはなるべく敵の機甲ユニットを攻撃しようとしますが、どの敵機甲も被攻撃済で、まだ攻撃を受けていない歩兵ユニットなどがいればそちらを攻撃します。
最初の例外として、空対地フェイズ(編注:地対空フェイズのまちがい?)において各航空ユニットは地上ユニットから1回だけ攻撃されます。その時最も対空攻撃能力値が高い地上ユニットが航空ユニットに攻撃します。
2番目の例外として、空対地フェイズにおいて航空ユニットは(2ユニットを上限として)砲兵隊を優先して攻撃します。艦砲射撃も同様です。
これらの例外をのぞいて標的にするユニットは各フェイズにおいてランダムに決定されます。
(省略)
戦闘でのロール値などにおける修正値の一覧です。この章に出てくる語句を以下のように定義します:
射撃ユニットの攻撃に対する標的ユニットに適用される回避能力値への修正です。
不利な修正 | |
-1 | 政治的凍結領域内の防衛軍ユニット(奇襲ルール) |
-1 | 上陸作戦中のユニット |
-1 | 未補給のユニット |
-1 | 独ソ開戦後の「最初の冬」におけるドイツ軍ユニット |
-1 | 同一ターンにすでに別の射撃ユニットから攻撃を受けたことのある航空機や海軍ユニット*1 |
有利な修正 | |
+1 | 政治的凍結領域における攻撃軍ユニット(奇襲ルール) |
+1 | 射撃ユニットが未補給 |
+1 | 以前のフェイズにおいてすでに射撃ユニットがダメージを受けている |
+2 | 以前のフェイズにおいてすでに射撃ユニットが破壊されている |
+1 | 攻撃方法が総攻撃で要塞領域にいる防衛軍ユニット |
+1 | 冬ターン時の凍結領域にいる防衛軍ユニット(独ソ戦「最初の冬」とは重複しない) |
+1 | 独ソ戦「最初の冬」ターンにおけるソ連領内の凍結領域で、射撃ユニットがドイツ軍である時の防衛軍ユニット |
独ソ戦開始が冬ターンであった場合、「最初の冬」はそのターンではなく次の年の冬ターンになります。
さまざまな状況において射撃ユニットのダイスロールの合計値に対して以下のような修正が加えられます(1つの射撃ユニットから1つの標的ユニットへの射撃それぞれに適用されます):
不利な修正 | |
-1 | 標的ユニットが未整備領域にいる防衛軍の地上ユニット |
-1 | 空対空戦闘において、標的ユニットが味方の陸上領域にいる |
-2 | 射撃ユニットが地上ユニットで、標的ユニットが防衛軍の地上ユニットでダメージを受けていない鉄道がある |
-2 | 標的ユニットがベテラン |
-4 | 標的ユニットが精鋭 |
-5 | 陸地への艦砲射撃時に味方の地上ユニットが戦闘に参加していない |
1ユニットごとに-2 | 上陸作戦に対する臨機攻撃で、すでに上陸済の地上ユニット1つにつき-2(8.2.3章参照) |
-1~-3 | 標的ユニットが潜行中の潜水艦……自分のターンでない潜水艦は潜行中の扱いになります。その領域に自軍の潜水艦が1ユニットしかいない場合は-3、2ユニットで-2、3ユニットで-1、4ユニット以上で修正なしです(この修正は潜水艦隊が1ヶ所に集中することを防ぐためです) |
-1~-射撃ユニットの制圧ポイント | 制圧ポイントがある射撃ユニットはダイスロール値から1~制圧ポイントの間でランダムに引かれます |
-抑止ポイント(IP) | 射撃ユニットにIPがあればその分引かれます(7.1.14章参照) |
-AHL | 標的ユニットが属する列強のゲームオプションにおける攻撃支援レベル |
有利な修正 | |
+クリティカルヒット修正値 | すべての攻撃には5%の確率でクリティカルヒットが起きます。その際は標的ユニットの回避値と耐久値を掛け算した値が射撃ユニットのロール値に足されます |
+4 | 射撃ユニットが精鋭 |
+3 | 諸兵科合同軍ボーナス……攻撃軍側に以下の条件がそろっているとき、防衛軍の地上ユニットに対する攻撃にボーナスが加わります:1)戦闘機以外の航空機、機甲ユニット、砲兵隊ユニット、歩兵ユニットが1ユニット以上いる、2)防衛軍が1)の条件を満たしていない、3)攻撃軍に防衛軍と同数以上の機甲ユニットがいる |
+2 | 射撃ユニットがベテラン |
+2 | 高射砲支援ボーナス……射撃ユニットが高射砲隊で敵の航空ユニット数より多ければボーナスが入ります(8.7.5章参照) |
+1 | 射撃ユニットに信号諜報ボーナス(9.3章参照) |
+標的ユニットの制圧ポイントの1/3 | 標的ユニットが受けている制圧ポイントの1/3(端数切り捨て)だけ射撃ユニットのダイスロール値に足されます |
+IP | 標的ユニットにIPがあれば、その分射撃ユニットのロール値に足されます(7.1.14章参照) |
+AHL | 射撃ユニットが属する列強のゲームオプションにおける攻撃支援レベル |
政治的凍結領域では防衛軍の標的ユニットに以下の修正値のみが適用されます:
それ以外のすべてのケースにおける修正値は次のように(次の順番で?)適用されます: