8.1 強制的、あるいは自由選択による戦闘勃発

(中略)
通常戦闘においては戦闘未解決のままターンを終了することはできません。

しかし強制戦闘が自由選択戦闘(未解決のままターン終了することができる)に変化する2つの例外があります。

  1. 敵の航空機や海軍ユニットがいる海域に自軍は潜水艦しかおらず、政治的凍結領域でもない場合
  2. 敵領域にいる味方が航空ユニットのみで、敵の航空ユニットがいないかつ、政治的凍結地域でも中立国でもない場合
    3番目の例外は双方の輸送船団しか領域にいなければ、たとえ戦闘が可能であっても強制ではありません(つまり敵味方の輸送船団同士は同じ領域に存在することができます)。

8.1.1 攻撃の詳細

(中略)
総攻撃以外を行う場合は航空機ユニットのみ敵領域に侵入させて攻撃しなければいけません。

総攻撃以外では防御側の地上ユニットは高射砲隊しか反撃できません。戦術爆撃機と戦略爆撃機以外の防御側航空ユニットは迎撃します。

8.1.2 攻撃における制限

どのユニットも1ターンに1回しか攻撃に参加できません。1度の攻撃を終えたユニットは移動力が残っていてももうそのターンに敵領域へ侵入することはできません(潜水艦はのぞく)。しかし他の列強のターンにおいて攻撃を受けたときは戦闘に参加できます。また戦闘中に発砲しなかったユニットは同一ターン内に他の戦闘に参加することができます。発砲済か否かはユニット表示の下部にある標的アイコンのチェックの状態でわかります。

8.2 臨機攻撃

ある条件下において、敵対するユニットの移動時に自動的に攻撃することがあります。これを臨機攻撃といいます。臨機攻撃が発生するときは移動する側のプレイヤーに警告が表示され、それでも移動するかどうかを選択できます。すべての臨機攻撃は間接攻撃となります(8.3.4章参照)。

8.2.1 臨機攻撃の発生条件

以下の条件が満たされると臨機攻撃が発生します:

8.2.2 臨機攻撃詳細と例外

臨機攻撃は次のルールに従います:

8.2.3 揚陸移動(上陸作戦)に対する臨機攻撃

砲兵隊と航空ユニットは在駐する領域に揚陸しようとする敵部隊に対して次のような特別な臨機攻撃を行います:

例えばある領域に2つの砲兵ユニットがいたとして、すでに空挺ユニットが1つ上陸済であるとします。 次に歩兵が輸送船団経由で上陸しようとすると、2つ砲兵隊が臨機攻撃するときにそれぞれ攻撃ロールに-2の修正がかかります。 その臨機攻撃でダメージを受けなかったと仮定して、さらに次の歩兵が上陸しようとするときはすでに2つのユニットが上陸済なので、どの砲兵隊も臨機攻撃のロールに-4の修正を受けることになります。

8.3 攻撃手順

(中略)
戦闘においてユニットの各攻撃能力値が適用される対象は以下の通りです:

対地攻撃値
地上ユニット・工場・資源・鉄道・飛行場攻撃時の航空機への攻撃
対空攻撃値
航空機への攻撃
対艦攻撃値
潜水艦以外の艦隊への攻撃
対潜攻撃値
潜水艦隊への攻撃
魚雷攻撃値
潜水艦以外への艦隊への攻撃で対艦攻撃に付属して使用される

これら攻撃能力値の数だけサイコロを振って出た目の合計に各修正を合わせたものが攻撃値なります。装甲値の分、攻撃で振られるサイコロの数が減少します。

防御側は回避能力値と耐久度を掛け算した数が防御値となります。
攻撃値が防御値と同じか上回れば1ヒットし、攻撃値が防御値の2倍以上になれば2ヒットします。
1ヒット受けた状態でその戦闘を終えればダメージを受けたとして工場に送られ、2ヒット受けた状態であればそのユニットは破壊されマップから取り除かれます。民兵は1ヒットでも破壊されます。

コンピューターは一定の法則にしたがって攻撃対象のユニットを決定します。戦闘は同期して行われるので、ダメージを受けたり破壊されたユニットでも反撃してきます。

地上戦や海戦では各ユニットは攻撃レンジを持ちます。

地上ユニット同士の戦闘において、他の地上ユニットと違い砲兵隊は攻撃レンジ3を持ち、距離3のときと距離2のときそれぞれ1回ずつ発砲します。しかし距離1のときは発砲しません。砲兵隊はその2回の攻撃でなるべく別々の対象を攻撃しようとします。2回の砲兵隊の攻撃が終わると、他の地上ユニットが発砲を行います。

潜水艦以外の水上艦同士の戦闘において、距離3か距離2か距離1かがランダムで決定されます。艦隊は射程内であったときのみ発砲することができます。

(中略)

8.3.1 戦闘フェイズ

戦闘は以下のフェイズに別れ、それぞれのユニットはその中で発砲します:

各フェイズにおいては同期して戦闘が行われます。よってダメージを受けたり破壊されても、同一フェイズ内であれば8.3.3章にあるようなダメージを受けたことによる不利な修正は受けずに反撃できます。

大半のケースにおいて、攻撃側の地上ユニットが航空機フェイズや距離3や2の地上戦闘においてダメージを受けたり破壊されると、その後のフェイズで発砲することができなくなります。

各ユニットは戦闘においてなるべく同種の敵を攻撃しようとします。しかしどの敵ユニットも各フェイズにおいて最低1回ずつ攻撃を受けていないと、同じ敵ユニットに2発目を発射することはできません。このとき歩兵・民兵・空挺はすべて同種のユニットと見なされます。
例えば機甲ユニットはなるべく敵の機甲ユニットを攻撃しようとしますが、どの敵機甲も被攻撃済で、まだ攻撃を受けていない歩兵ユニットなどがいればそちらを攻撃します。

最初の例外として、空対地フェイズ(編注:地対空フェイズのまちがい?)において各航空ユニットは地上ユニットから1回ずつしか攻撃されません。その時最も対空攻撃能力値が高い地上ユニットが航空ユニットに攻撃します。

2番目の例外として、空対地フェイズにおいて航空ユニットは(2回を上限として)砲兵隊を優先して攻撃します。艦砲射撃も同様です。

これらの例外をのぞいて標的にするユニットは各フェイズにおいてランダムに決定されます。

8.3.2 戦闘結果予想

(省略)

8.3.3 戦闘修正

戦闘でのロール値などにおける修正値の一覧です。この第8章に出てくる語句を以下のように定義します:

攻撃軍
移動して攻撃を仕掛けた側(今現在移動フェイズ中)のプレイヤーのユニット
防衛軍
攻撃を仕掛けられた側のプレイヤーのユニット
射撃ユニット
敵にダメージを与えようと発砲しているユニット
標的ユニット
敵ユニットから発砲を受けているユニット

標的ユニットの回避能力値への修正

射撃ユニットの攻撃に対する標的ユニットに適用される回避能力値への修正です。

不利な修正
-1政治的凍結領域内の防衛軍ユニット(奇襲ルール)
-1上陸作戦中のユニット
-1標的ユニットが未補給
-1独ソ開戦後の「最初の冬」におけるドイツ軍ユニット
-1同一ターンにすでに別の射撃ユニットから攻撃を受けたことのある航空機や海軍ユニット*1
有利な修正
+1政治的凍結領域における攻撃軍ユニット(奇襲ルール)
+1射撃ユニットが未補給
+1以前のフェイズにおいてすでに射撃ユニットがダメージを受けている
+2以前のフェイズにおいてすでに射撃ユニットが破壊されている
+1攻撃方法が総攻撃で要塞領域にいる防衛軍ユニット
+1冬ターン時の寒冷領域にいる防衛軍ユニット(独ソ戦「最初の冬」とは重複しない)
+1独ソ戦「最初の冬」ターンにおけるソ連領内の寒冷領域で、射撃ユニットがドイツ軍である時の防衛軍ユニット

独ソ戦開始が冬ターンであった場合、「最初の冬」はそのターンではなく次の年の冬ターンになります。

戦闘攻撃におけるダイスロールの修正値

さまざまな状況において射撃ユニットのダイスロールの合計値に対して以下のような修正が加えられます(1つの射撃ユニットから1つの標的ユニットへの射撃それぞれに適用されます):

不利な修正
-1標的ユニットが未整備領域にいる防衛軍の地上ユニット
-1空対空戦闘において、標的ユニットが味方の陸上領域にいる
-2射撃ユニットが地上ユニットで、標的ユニットが防衛軍の地上ユニットでダメージを受けていない鉄道がある
-2標的ユニットがベテラン(5.7章参照?)
-4標的ユニットが精鋭(5.7章参照?)
-5陸地への艦砲射撃時に味方の地上ユニットが戦闘に参加していない
1ユニットごとに-2上陸作戦に対する臨機攻撃で、すでに上陸済の地上ユニット1つにつき-2(8.2.3章参照)
-1~-3標的ユニットが潜行中の潜水艦……自分のターンでない潜水艦は潜行中の扱いになります。その領域に自軍の潜水艦が1ユニットしかいない場合は-3、2ユニットで-2、3ユニットで-1、4ユニット以上で修正なしです(この修正は潜水艦隊が1ヶ所に集中することを防ぐためです)
-1~-射撃ユニットの制圧ポイント制圧ポイントがある射撃ユニットはダイスロール値から1~制圧ポイントの間でランダムに引かれます
-抑止ポイント(IP)射撃ユニットにIPがあればその分引かれます(7.1.14章参照?)
-AHL標的ユニットが属する列強のゲームオプションにおける攻撃支援レベル
有利な修正
+クリティカルヒット修正値すべての攻撃には5%の確率でクリティカルヒットが起きます。その際は標的ユニットの回避値と耐久値を掛け算した値が射撃ユニットのロール値に足されます
+4射撃ユニットが精鋭(5.7章参照?)
+3諸兵科合同軍ボーナス……攻撃軍側に以下の条件がそろっているとき、防衛軍の地上ユニットに対する攻撃にボーナスが加わります:1)戦闘機以外の航空機、機甲ユニット、砲兵隊ユニット、歩兵ユニットが1ユニット以上いる、2)防衛軍が1)の条件を満たしていない、3)攻撃軍に防衛軍と同数以上の機甲ユニットがいる
+2射撃ユニットがベテラン(5.7章参照?)
+2高射砲支援ボーナス……射撃ユニットが高射砲隊で敵の航空ユニット数より多ければボーナスが入ります(8.7.5章参照)
+1射撃ユニットに信号諜報ボーナス(9.3章参照)
+標的ユニットの制圧ポイントの1/3標的ユニットが受けている制圧ポイントの1/3(端数切り捨て)だけ射撃ユニットのダイスロール値に足されます
+IP標的ユニットにIPがあれば、その分射撃ユニットのロール値に足されます(7.1.14章参照?)
+AHL射撃ユニットが属する列強のゲームオプションにおける攻撃支援レベル

戦闘ダイスロール修正値の適用概要

政治的凍結領域では防衛軍の標的ユニットに以下の修正値のみが適用されます:

それ以外のすべてのケースにおける修正値は次のように(次の順番で?)適用されます:

8.3.4 制圧ポイントと間接攻撃

ユニットは攻撃を受けると制圧ポイントが加算されます。制圧ポイントは戦闘の各フェイズ(空対空、地対空など)が終了するまで実際にはつきません。制圧ポイントは攻撃を受けるたびに累積していきます。すべてのユニットの制圧ポイントは各列強の移動フェイズ終了時に取り除かれます。制圧ポイントはユニット表示の真ん中に四角で囲まれた数字で表されます。攻撃を受けても制圧ポイントが0のユニットは数字の替わりにダッシュ(-)が表示されます。

射撃ユニットに制圧ポイントがある場合、ダイスロールの合計値に対して、1~「各戦闘フェイズ開始時の制圧ポイント」の間でランダムに減算されます。標的ユニットに制圧ポイントがある場合、射撃ユニットのダイスロールの合計値に対して、制圧ポイントの1/3(端数切り捨て)だけ加算されます。

累積した制圧ポイントがユニットの耐久値の5倍に達すると、ダメージを受けます。すでにダメージを負ったユニットは制圧ポイントがどんなに高くなっても決して追加のダメージを負いません(つまり間接攻撃だけではユニットを破壊できません)。

間接攻撃による制圧

間接攻撃は海軍、航空機、砲兵隊が地上ユニットに対して行います。高射砲隊の対空射撃も間接攻撃です。

そしてすべての臨機攻撃も間接攻撃となります。間接攻撃は地上ユニットに直接ダメージを与えることはありませんが、制圧ポイントの累積によってダメージを与えることがあります。

間接攻撃は通常と同じように射撃ユニットの対地攻撃能力値の数だけサイコロを振り出た目の攻撃を、1~「標的ユニットの回避能力値」のランダムで出た目で割り算した値が制圧ポイントとして標的ユニットに加算されます(端数切り捨て)。

すべての間接攻撃ではダイスロール修正値が2倍されます。

直接攻撃による制圧

直接攻撃でも制圧ポイントを与えられます。攻撃ダイスロールの合計値の半分(端数切り捨て)を標的ユニットの回避能力値で割り算した値(これも端数切り捨て)が制圧ポイントとして加算されます。

艦砲射撃による間接攻撃

重艦隊と軽艦隊による艦砲射撃は間接攻撃扱いになります。地上ユニットや航空ユニットが敵領域に攻撃をかけるときに、艦隊が接していれば行うことができます。しかし艦隊のいる海域に敵ユニットなどがいて戦闘未解決状態のときは艦砲射撃できません。艦砲射撃に参加できる艦隊数は、1+「その領域に上陸している味方の地上ユニット数」までです。艦隊は砲兵隊を優先的にねらいます。これに対して砲兵隊は反撃します(間接攻撃ではなく直接攻撃になります)。艦砲射撃できるときにはプレイヤーに実行するか尋ねてきます。
艦砲射撃するときは砲兵隊の存在に注意し、可能であれば航空部隊で破壊した方がよいでしょう。艦船にとって砲兵隊からの砲撃はとても驚異だからです。

8.4 戦闘結果

(省略)

8.5 戦闘からの撤退

戦闘の結果、以下のときは防衛軍側はその領域から撤退する条件は以下の通りです:

海軍ユニットの制海力は重艦隊・軽艦隊・空母艦隊・艦載機の数の総和ですが、重艦隊は他の2倍として数えます。また艦載機は空母に着艦していなければ数えません。

防衛軍に撤退の必要がなければ、以下の条件でない限り攻撃軍の方が撤退しなければいけません:

潜水艦が撤退することはありません。

空母艦隊が撤退した場合は、艦載機が母艦と同じ領域にいたならば共に撤退します。

攻撃軍の航空ユニットは戦闘後常に基地に帰投します(このとき臨機攻撃は受けません)。

(中略)

8.5.1 攻撃軍撤退時の優先退却経路

攻撃軍が撤退を強いられると、元いた領域に戻ります。それができない場合は隣接する領域に撤退します。ユニットが輸送船団経由で海路撤退するときはダメージを受けます。

そのターン移動しなかった攻撃軍ユニットは防衛軍ユニットの扱いで撤退します。

航空ユニットはそれぞれ自分の基地に帰投します。

8.5.2 陸上防衛軍撤退時の優先退却経路

陸上の防衛軍ユニットは退却時、次の優先順位で自勢力領域への撤退を試みます:

上記の条件に当てはまる領域が複数ある場合、最も補給物資がある領域に撤退します。

政治的凍結領域への撤退は最も優先順位が低くなります。

8.5.3 海上防衛軍撤退時の優先退却経路

海上の防衛軍ユニットは退却時、次の優先順位で自勢力領域への撤退を試みます:

海軍ユニットは敵領域に接した海峡を通って撤退することはできません。艦隊は最大移動力を超えた距離を撤退することはできません。

港にいるユニットがその領域を占領された場合、上記の通常のルールに従って撤退します。しかし他の味方の港まで経路が確保されていなければなりません(港湾間移動時の移動力2倍ボーナスは適用されません)。

港湾が攻撃されたり占領されそうになると、港にいる艦隊はただちに隣接する敵のいない海域があれば移動します。

8.5.4 航空防衛軍撤退時の優先退却経路

航空ユニットは自分の基地を失うと、別の領域に基地を設定し移動します(臨機攻撃は受けません)。新しい基地の設定は以下の優先順で決定されます(基地となるべき領域がないときは破壊されます):

8.5.5 戦闘後のダメージを受けたユニットの特別移送

ダメージを受けたユニットは味方の工場に移送されます。陸上領域での戦闘後では敵の領域を含まない経路を通って工場に入り生産中と同じ扱いになります。同盟軍や輸送船団が置かれている海上を経路にすることもできます。
海上領域での戦闘後では工場までの経路をたどる必要はありませんが、水上艦は20移動力以内に味方の港湾と工場を含む領域がなければ破壊されます。潜水艦は15移動力以内です。このとき自分のものではない運河を通ることはできません。これらの移動力ポイントは撤退が行われたあと計算されます。

すべての修理が必要なユニットは元敵国の工場に入ることはできません。例えば日本であれば日本と満州国以外の工場で修理することはできません; 占領していても、重慶の工場ではできないのです。

ダメージユニットはなるべくそのユニットが属する国家の領域の工場で修理しようとします。非政治的凍結領域での修理が不可能でない限り、政治的凍結領域で修理することはありません。

味方の工場への経路が確保されていなければ、ダメージを受けたユニットは破壊されます。修理のために移動するユニットは臨機攻撃を受けません。

修理に必要なターンは11.4章?を参照してください。

ダメージを受けた海軍の港湾への移送

ダメージを受けた海軍は自動的に工場のある港湾に移送されます。運ばれる港湾は次の法則で最もポイントが高い港が選ばれます:

8.6 海戦上の制限

もともと海上で接敵するのは難しいものなので、海戦にはさまざまな制限があります。

8.6.1 水上艦の戦闘

水上艦同士の戦闘では、コンピューターがどの距離で交戦するかを決定します。距離3では重艦隊のみ砲撃できます。距離2では軽艦隊と重艦隊が砲撃します。距離1ではすべての水上艦が砲撃し、可能であればすべての水上艦が魚雷攻撃をします。いずれの場合でも水上艦同士の戦闘の前に、空対空、空対艦の戦闘を解決します。距離1の交戦になる確率は50%、距離2の交戦は17%、距離3は33%です; ただし1つも戦闘に参加できる艦隊がない場合は交戦可能になるまで距離が縮まります(例えば距離3であっても双方に軽艦隊しかいない場合は距離2に減少し、空母艦隊しかいない場合は距離1にまで縮まります)。交戦距離は戦闘報告画面に表示されます。

艦隊戦はすべての艦船が戦闘に参加するわけではないという点が特徴的です。一方の艦隊の総数がX個艦隊、もう一方の艦隊がY個艦隊だとします。総数に含むのは重艦隊・軽艦隊・空母艦隊のみです。X≧Yであった場合、X個艦隊側は1~Xまでの乱数を2回試みます。Y個艦隊側は1~Xの乱数と1~Yの乱数をそれぞれ1回ずつ試みます。そして乱数の出目の小さい方の数がそれぞれの陣営がその海戦に参加できる艦隊数です。

例:3個重艦隊と2個軽艦隊からなる艦隊が、1個重艦隊と1個軽艦隊からなる敵艦隊に攻撃したとします。味方の総数は5個艦隊いて敵の2個艦隊より多いので、1~5の乱数を2回振ります。出目がそれぞれ4と2だったとします。出目の少ない方をとるので、味方は2個艦隊まで戦闘に参加できることになります。敵は1~5の乱数と1~2の乱数をそれぞれ振ります。出目が1と2だったとします。出目の少ない方をとって敵は1個艦隊が戦闘に参加します。

この判定で参加できなかった艦隊もそのターンにおいては戦闘で発砲済の扱いになります。よってその移動フェイズ中はもう他の戦闘には参加できません。戦闘に参加しなかった艦隊も、どちらの側が撤退するかの判定で制海力として換算されます。

通常、輸送船団は戦闘に参加することはできませんが、同一領域の友軍が潜水艦に攻撃を仕掛けた場合など、戦闘に巻きこまれれば輸送船団も潜水艦を攻撃します。攻撃軍側の輸送船団は水上艦同士の海戦に参加しませんが、戦闘の結果攻撃軍が撤退すればいっしょになって撤退します。同じ領域に友軍の水上艦が存在すれば、輸送船団は敵の水上艦に攻撃されることはありません。護衛のいない輸送船団は敵の水上艦に攻撃されます。

もし護衛がついている輸送船団を攻撃したい場合は、護衛艦隊を先に沈めなければなりません。護衛のいない輸送船団はとても簡単に破壊できます。

8.6.2 潜水艦の対艦攻撃

歴史的に潜水艦が水上戦闘艦を攻撃するのはとても難しいことでした。これを踏まえて潜水艦が輸送船団をのぞく水上艦を攻撃するときは67%の確率で攻撃を取りやめます(このとき戦闘報告詳細画面でダイスロールが0になります)。

8.7 航空ユニットの戦闘の特別ルール

8.7.1 標的のタイプによる対地攻撃調整

航空機による対地攻撃では標的のタイプによって次のように調整します:

8.7.2 飛行場攻撃

飛行場攻撃を行うときは戦闘機を除き、防衛軍側のユニットの回避能力値が5に固定され装甲値は無効化します(戦闘機は通常の回避能力値を使用します)。さらにいかなる回避能力への修正値も適用されません。

8.7.3 空母艦載機の対艦攻撃とカウンターストライク

(航空ユニットが砲兵隊を優先的にねらうのと同様に)艦載機は敵の空母を優先的にねらいます。艦載機が敵艦隊を攻撃したときは以下の比重で標的を決定します:

空母艦隊 40
重艦隊 4
軽艦隊 2
輸送船団 1
潜水艦隊 1

艦載機を搭載している空母が海上にいるときに敵の艦載機から攻撃を受けると、生き残った航空機すべて(艦載機だけでなく陸上に基地がある哨戒中の航空機も)はただちに敵空母にカウンターストライクを行います。最初の戦闘後の戦闘結果報告画面を閉じるとすぐに航空反撃に対する戦闘結果報告画面が現れます。

8.7.4 爆撃機の退避

自勢力のターンではないときに味方の陸上領域にいる戦術爆撃機と戦略爆撃機は空対空戦闘に参加しません。彼らを攻撃するには飛行場攻撃をするしかありません。そんな防衛軍側の爆撃機も侵攻してきた敵の地上部隊に爆撃を行うので、高射砲隊などによる対空反撃は受けます。

8.7.5 高射砲隊の対空攻撃における特別ルール

高射砲隊にとって戦闘機隊は標的になる優先順位が最も低くなります。

1つの高射砲隊ユニットにつき航空ユニットを2つまで火力を損なうことなく攻撃できます。しかし各航空ユニットは地上からの対空砲火を1回ずつしか受けないというルールが優先されます。

防衛軍に攻撃軍側の航空ユニットより多くの高射砲隊がいたとき、高射砲隊の対空砲火に支援ボーナスがつきます。高射砲ユニットの数が敵航空ユニットの2倍以上いれば、すべての高射砲隊の射撃に+2のボーナスが与えられます(そして間接攻撃の修正値は2倍です)。2倍に到達しなかった場合は、上回った数の分だけ+2ボーナスがつきます。

例えば敵航空機3ユニットを5ユニットの高射砲隊で迎え撃つとき、(各航空ユニットは地上からの対空砲火を1回ずつしか受けないというルールにしたがって) 3回対空砲火を撃てますが、高射砲隊の数が2ユニット上回っているので3回のうち2回には+2のボーナスがつきます。

8.7.6 日本の神風攻撃隊

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1944年春ターンより、日本軍プレイヤーはあらゆる航空ユニットをKamikaze航空ユニットに変更することができます。

航空ユニットを選択した状態で、右側面下部の飛行機のグラフィックのボタンを押すことで変更できます。もう一度ボタンを押すと元のユニットに戻ります。この作業は移動フェイズ中ならばいつでもできます。

Kamikazeユニットには戦闘において特殊な能力をもちます。まず空対空戦闘で発砲しません。次に対艦攻撃を行うと、戦闘終了時に攻撃を行った航空ユニットは自動的に破壊されます。そして対艦攻撃能力値が以下のように変更され、魚雷攻撃能力はなくなります:

8.8 原子力爆弾

少なくともひとつ以上の戦略爆撃機ユニットを持ち、その対地攻撃能力値が9以上になると、原爆を持つことができます。西側連合軍が原爆を持つと日本に降伏を強いることができるようになります(13.1.2章参照?)。原爆を持つ戦略爆撃機が工場爆撃を行うと2ヒットを工場に与え、その領域の産出人口を1減少させ、備蓄人口を1減少させます。


*1 ただし同じ水上艦から対艦攻撃と魚雷攻撃を続けて受けるときなど、同じユニットから2度攻撃を受ける場合は除きます

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